深田サルベージ建設株式会社(代表取締役社長:山本寿生)は、地方港湾での揚重作業、中規模重量物作業に対応できる起重機船の増強のため、起伏式850t吊起重機船「霧島」の建造に着手しました。
本船はジブ起伏式吊上能力850tを有し、機動性を重視し沿岸回航を考慮して最適化された船体とジブ長を採用しています。また、狭小水域での係留や回頭が可能なスパッドとスラスターを装備しております。
環境に配慮したGX化の特徴として、大部分を電気駆動とし、発電機関の統合運転制御や回生電力の再利用、インバーター制御を行うとともに、発電機関からの排熱も有効活用します。
さらに、DX化も強化されており、作業支援システム、係留支援システム、船体位置誘導システムによるオペレーター支援、22台のカメラによる全方位監視、電子航海機器による安全監視を実現し、安全性と省力化を追求した次世代型の起重機船となっています。
また、乗組員の作業環境にも配慮し、「非自航船における居住設備ガイドライン」のすべての規定を満たす船内環境を整備しました。 さらに、女性の活躍を促進するため、ユニットバス付きの個室と女性専用の更衣室を設置し、快適な船内空間を提供します。
船名は、本船が九州地区に配備される予定であり、九州地区の皆様に愛され、ご愛顧いただけるように願い、天照大神の孫であるニニギノミコトが三種の神器と稲穂を携えて降臨したと伝えられる、鹿児島県と宮崎県の県境に広がる霧島山(高千穂峰)にちなんで命名しました。
建造については、クレーン部をIHI運搬機械株式会社が、船体部を株式会社JMUアムテックが担当し、2026年9月末の就航を予定しております。