深田の挑戦
社会課題に挑む
「海と人の未来のために」という経営理念のもと、
その時代の社会が抱える課題に真摯に向き合ってきた深田サルベージ建設。
ここでは、5つの社会課題に対して解決を試みる
私たちの挑戦をご紹介します。
自然災害
甚大な被害をもたらす
台風・豪雨災害が各地で発生
自然災害
災害発生時におけるインフラの
復旧工事と防災・減災のための
社会インフラ構築に取り組む。
近年、世界中で気象災害が頻発しています。日本においても、2017年7月の九州北部豪雨をはじめ、2018年9月に台風21号の暴風により関西国際空港連絡橋にタンカーが走錨、衝突し大きな損傷を与えた事故、2019年9月に台風15号が東京湾を直撃し、走錨した貨物船が南本牧はま道路へ衝突した事故など、各地に甚大な被害をもたらす台風・豪雨災害が発生しています。今後、地球温暖化などの気候変動により、世界的に異常気象がさらに増加する可能性も指摘されているなか、深田サルベージ建設では災害発生時にインフラの復旧工事を優先して行うとともに、社会インフラの構築を通して防災・減災に努めています。
事業実績
2019年 / 関西国際空港連絡橋 桁復旧工事
2019年、台風21号に伴う海難事故で被災した関西空港連絡橋の復旧工事に、当社所有の3,700t吊起重機船「武蔵」、2,200t吊起重機船「駿河」、14,500t積台船「深洋」、当社傭船の12,800t積台船「スチールハブ2」が従事。「武蔵」が「スチールハブ2」に1桁目の復旧桁を積込み、「駿河」が「深洋」に2桁目の復旧桁を積込みし、関空連絡橋現場海域にて「武蔵」がそれぞれの台船から復旧桁を吊上げ、架設しました。


社会資本老朽化
高度成長期以降に整備された
インフラが急速に老朽化
社会資本老朽化
社会インフラの
適切な維持管理と、
さらなる充実に貢献。
日本では、高度成長期以降に整備されたインフラが急速に老朽化し、今後、建造50年以上経過する社会資本の割合が加速度的に高くなる見込みです。すでにある社会インフラの適切な維持管理と、さらなる充実を図ることが重要な課題です。港湾施設のように、補修・修繕が必要となるインフラの大部分が水中に存在しているものや、橋梁など維持管理が必要な箇所が高所に存在するものについては、厳しい作業環境で行うことになります。深田サルベージ建設では、橋梁・揚重機などの大型構造物・重量物輸送や設置などを行うとともに、津波や高潮に備えた護岸整備や海底トンネルの沈埋函輸送や据付を行い、安全・安心・便利に暮らせる社会インフラ整備に貢献しています。
事業実績
2022年 / 大師橋大ブロック浜出・輸送・架設
長年使用し老朽化した東京都大田区にある高速大師橋(首都高)の架け替えにおいて、2022年2月から6月にかけ、当社所有の3,700t吊起重機船「武蔵」などを活用し、神奈川県及び東京都で製作された大ブロックを台船へ積込み、現地へ輸送。現場ではウインチ操作で台船を進入させ、大ブロックをジャッキアップし架設しました。


海難事故・遭難
日本領海や排他的経済水域は
世界でも有数の海難発生海域
海難事故・遭難
国内外の海難事故に対応。
世界に繋がる海で、
船や海の安全を守る。
日本は、領海や排他的経済水域が約447万平km(世界第6位)に及ぶ海洋大国です。この広大な海域に多くの船舶が往来することから、世界でも有数の海難発生海域と言われています。周辺海域では、海運、漁業、マリンレジャーなど幅広い分野で、船舶による多種多様な活動が行われています。特に近年はマリンレジャーが急速かつ広範に普及しており海難事故が絶えません。深田サルベージ建設では、国内外を問わず座礁・沈没した船舶の救助や積荷の回収を行っています。また、流出した油などを回収することにより、海洋環境の保全にも努めています。ISU(国際救助業者連盟)の日本メンバーでもある深田サルベージ建設は、国外のサルベージや多国間に跨る大規模油濁防除などにも対応し、世界に繋がる海において船や海の安全を守っています。
事業実績
2023年 / 沈没した船舶のサルベージ
来島海峡で外国船と衝突し転覆、沈没した船舶を浅瀬に曳きこんだ後、当社所有の3,700t吊起重機船「武蔵」などを活用し、船体を巻き起こしました。本船は2023年11月に解体工場へ無事曳航されました。

座州した外国船の曳き卸し準備
北海道砂浜に座州した外国船の曳き卸し撤去前の準備作業として、船体を軽くするために重油を陸上に設置した貯蔵タンクへ抜き取りました。その後、曳き卸し撤去されました。

海洋汚染
船舶事故による油の流出は
海洋汚染の大きな原因
海洋汚染
船舶事故での油回収や防除に努め、
環境問題への啓発活動も推進。
地球温暖化や森林破壊と並んで問題なのが海洋汚染です。海上保安庁によると2020年に起きた海洋汚染は453件で、汚染物質のほとんどが、船舶からの油と陸上からの廃棄物です。なかでも船舶事故による油の流出は、海洋汚染の大きな原因の1つ。船舶が座礁し、油が大量に流れ出すと、海中から油を除去することは難しく、海洋生物の生命にかかわります。そうしたなか深田サルベージ建設では、船舶事故での油回収や防除に努め、きれいな海を守るとともに、ビーチクリーン活動などに参加し、環境問題への啓発活動にも取り組んでいます。
事業実績
沈没船から流れ出た重油の処理
東シナ海で沈没した外国船から流れ出た油が、南西諸島の海岸に漂着。環境汚染防止の為保険会社から受諾し、漂着した重油の処理を行いました。

ボランティア活動への参加
河川から流出したゴミが漂着し、漁業やさまざまな動植物、海岸に悪影響を及ぼすのを防ぐ観点から、ボランティア活動に参加しています。(写真は、名古屋人工島の清掃ボランティアに参加した際のもの)

エネルギー問題
限りある化石燃料をめぐって
資源獲得競争激化の懸念
エネルギー問題
深海域における海底資源調査や
再生可能エネルギーの普及を支える。
資源エネルギーは、無限に存在するものではありません。今後は発展途上国を中心に化石燃料の利用が増え、限りある資源をめぐって世界で資源獲得競争が激化すると懸念されています。そうしたなか、太陽光発電やバイオマス発電、風力発電といった、地球に優しい再生可能エネルギーが注目されています。特に高効率で電気エネルギーに変換でき、経済性を確保できるとされる洋上風力発電に大きな期待が寄せられています。深田サルベージ建設は、深海域における海底資源調査などを通じて、日本の海洋資源開発に貢献するほか、洋上風力発電の風車本体・基礎構造物の輸送や設置工事からO&Mまでを行い、再生可能エネルギーの普及を支えています。
事業実績
2023年 / 洋上風車の基礎を据付
2023年、石狩湾新港沖にて当社所有の2,050t吊「金剛」が従事し、2カ月半かけ洋上風車の基礎となるジャケットを14基据え付けました。翌2024年1月には、国内初導入となる8MWの洋上風力発電機が商業運転を開始しました。

海底から吹き出る熱水の温度測定
日本南西の深海にて当社所有ROV(有索無人潜水探査機)のマニピュレーターで掴んだ温度計を用い、海底熱水鉱床から吹き出る熱水の温度を測定しました。
